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銀行規制監督委員会は、八八年七月一五日、国際業務を営む銀行に対する自己資本比率規制の統一基準に関する提言を公表しました。
この統一基準は、同委員会に参加した主要国のみならず多くの国において採用されており、日本を含め、各国で銀行監督当局から規制の細目を定めた通達が出されています。 その骨子は、一言で言えば、「自己資本比率を九二年末(日本は年度末)までに八%以上とする」よう国際業務を営む銀行に求めるというものです。
自己資本比率規制などのバランスシート規制は、リスクの発生源である金融取引の一つ一つを規制することによってリスクの発生そのものを抑制しようとする従来の考え方を捨てて、金融機関のリスク負担能力である自己資本の充実を通じ、金融システム全体の安定を確保しようとするものです。 そうした意味で、自己資本比率規制の導入は自由化のワン・ステップとして極めて重要な前進であったと言えましょう。
しかし、バランスシート規制には、市場メカニズムを歪め、金融システム全体の効率性、安全性を阻害するおそれもあります。 こうした危険性には十分注意していく必要があるでしょう。
なお、八八年のBIS銀行規制監督委員会の提言は、主として信用リスクを念頭に置いていたため、九四年に金利リスク等のマーケットリスクに対する二次的規制が導入されています。 この点については後で説明します。
日本における金融制度改革の動きわが国の金融制度は、戦後一貫して分業主義・専門金融機関制度を基本としてきました。 もっとも、急速に進展した金融の自由化・国際化の進展により金融機関相互間の競争が激化する中で、かつてのような「棲み分け」が崩れるとともに、金融機関の同質化が大きく進み、それまでの分業主義に基づく縦割りの金融制度の意義は相対的に薄れてきたとの認識が高まってきました。

金融制度改革の実施の背景こうした状況のもとで、大蔵大臣の諮問委員会である金融制度調査会では、一九八五年九月以降、約六年の歳月をかけて、新しい時代環境のもとでの金融制度のあり方を検討してきました。 その結果、八七年一二月には「専門金融機関制度のあり方について」という報告書が取りまとめられ、まず、相互銀行の普通銀行転換が認められました。
ついで、八九年五月には「新しい金融制度について」(中間報告)と題する報告書が公表されました。 そして、九一年六月には、これまでの審議の締めくくりとして「新しい金融制度について」と題する報告書が取りまとめられました。
この答申においては、利用者の立場、国際性、金融秩序の維持という三つの視点を基本として、@参入方式としての業態別子会社方式を主体としつつ、本体での相互乗り入れを組み合わせていくのが適当、A各業態別子会社の業務範囲についてはそれぞれの業法において認められているすべての業務としながらも、急激な変化を避ける趣旨から、当初は制限し、その後段階的に拡大すべきとしました。 他方、証券取引審議会(大蔵大臣の諮問委員会)においても、八八年九月以降、有効かつ適正な競争を促進することにより資本市場の健全な発展を図るとの観点から、証券市場の担い手、有価証券の定義、公募概念の見直し、私募の取り扱い等に関する審議が行われ、九一年五月には報告書「証券取引に係わる基本的制度の在り方について」が取りまとめられています。
これらの答申・報告書を受け、九二年三月、国会に「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律(いわゆる「金融制度改革関連法と案が提出され、同年六月に成立しました。 その後、必要な政省令等が整備されたうえで九三年四月に施行されました。
これに伴い、銀行、証券会社および信託銀行はそれぞれの業務に特化した子会社の設立を通じて、銀行・証券・信託業務にそれぞれ相互に参入できるようになり、銀行等では業態別子会社方式を順次設立のうえ営業を開始しているほか、地域金融機関による本体での信託業務への参入も相次いで行われる。 銀行等が業態別子会社方式を通じて参入し得る業務は、銀行が証券・信託業務、信託銀行が証券業務、また証券会社が銀行業務または信託業務です。
なお、地方銀行等の地域金融機関については、子会社方式による参入が困難な場合もあり得る点に配慮のうえ、地域金融機関本体および代理店方式による信託業務への参入が認められています。 これらの業態別子会社を通じて参入時期については、親金融機関の店舗数等を勘案のうえ、長期信用銀行、信託銀行、系統中央機関、証券会社が優先され、その後で、都市銀行が順次参入するということになりました。
もっとも、銀行等が新たに設立する子会社の業務範囲については、@株式の発行および流通(ディーリング、ブローキング)業務、A転換社債等エクイティ物の流通業務、およびB株価指数先物取引および株価指数オプション取引、という株式関連業務が除外されています。 また、銀行や証券会社が新たに設立する信託銀行子会社の信託業務の範囲についても、貸付信託、年金信託、合同金銭信託、特定金銭信託等が除外されています。
このほか、親金融機関が影響力を及ぼし得る企業が発行する証券をその証券子会社が引き受ける、親子間での顧客の非公開情報を伝達し合う、といった相互参入に伴う弊害の防止を狙いとして、親金融機関との取引、人的交流、顧客情報の交換、店舗等の共有などに対しては原則禁止、あるいは一定の範囲内にとどめるといったファイア・ウォールが設置されています。 なお、業態別子会社方式の業務範囲、弊害防止措置については、金融制度改革実施後の状況等を勘案しつつ、法施行後、二、三年後を目途に見直しを行うとされました。
また、金融制度改革関連法においては、中小企業・農林漁業・個人等に対する多様な金融商品・サービスの提供を目的として、@信用金庫等による社債等の受託業務、A信用組合、労働金庫、農協等による国債等の募集の取り扱い・ディーリングおよび外国為替業務が認められるなど、協同組織金融機関の業務規制の緩和ないし業務範囲の拡大もあわせて図られています。 さらには、CPの化ように証券取引法には有価証券として列挙されていないものの、実質的には法律上の有価証券に類似した商品が登場してきている事態への対応を狙いとして、証券取引法上の有価証券の定義が見直され、CP、海外CP、CARDS(証券化されたクレジット・カード債権)、住宅ローン債権信託、受益権、海外CDが新たに有価証券に指定されました。

このように、わが国の金融制度改革は、各業態の利害を念頭に置きつつ漸進的に進められてきました。 しかし、この数年間にグローバル化や情報・通信技術の飛躍的発展を北月景に金融業が置かれている環境は劇的に変化し、制度見直し論議の前提は形骸化しつつあります。
このため、業界の意味が変わってしまうような大きな変化の中で、旧来の概念にこだわった縄張り争いを続けていると、日本の金融業全体が世界から取り残されてしまうという批判も強まっています。 ●通貨需給の均衡と財需給の均衡を同時にもたらす「金利と国民所得の組み合わせ」を示す代表的な方法がIS-LM分析です。
●日銀は短期金利をコントロールすることにより自由金利全般に影響を与えることができます。

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